
ボックスのフラップです。塗装を剥離した後、ブラスト処理をしました。

錆びなども少なく程度はかなり良いのですが、オリジナルとは違う箇所が・・・

フタの上部、突起している部分のアップです。この写真の状態はオリジナルの形とは異なります。
これは、過去に板金された時に手が加えられたのでしょう。
ボッテリとした山型のものが付いていてちょっとカッコ悪いです・・・。
ここはもちろんオリジナルの形状に復元します。

切り取った部分に合わせた鉄板を溶接でつなぎ合わせ、その後ハンマリングで形を叩き出します。
この形を叩き出すこと自体はそれ程難しいことではないのですが、この車種に関する資料はあまりなく、
少ない写真と記憶を頼りにしなければならなかったので、意外と苦労した部分です。

プレスの幅や高さ角度など色々検討した結果、最終的にはこの2枚の写真の形に落ち着きました。
おそらくこれが本来の形に近いと思われます。

フラップの裏にはこんなものが溶接されていました。これもオリジナルでは付きません。
おそらく適当なスプリングを引っ掛けてフラップを閉じていたのでしょう。もちろんこれも取り外します。

本来はこの様なものが付いています。これはもちろん単品の部品としては無いものなので、製作しました。
これが欲しいというリクエストがあればお作り致しますので、お問い合わせ下さい。

フラップに溶接で付けます。ここにスプリングを引っ掛けます。
方式としては、フェンダーライトや150GSのキャブレターボックスのフラップと同じです。

フラップ下のヒンジの部分です。ここはもともとオリジナルの形状のままでしたが、
そのままボックスに着けてしまうとフラップの下側が、ボックス開口部の下に当たってしまい
広い範囲が傷だらけになってしまいます。その対策として、
ヒンジの部分を2・3mmほど下に移す加工をしました。
この程度ならオリジナルの外観を損なうことも少なく、より機能的になります。

これが出来上がったフラップの写真です。
上側にあった不自然な出っ張りも無くなりすっきりとした感じです。

ファンカバーです。ルーバーの部分は本来立体的に曲げられているはずですが、
これはまっ平らに叩かれしまっています。

平らになってしまっているルーバーを一本ずつ手作業で戻していきます。
素材のアルミを延ばしてしまわないように、慎重に作業を進めます。

完成写真です。
こうしてみると、簡単な形状に見えますが、実際は微妙な曲線を描いているので、
手作業で戻すのは結構苦労しました。
ボディーのフロアー裏です。フロアー自体の程度は悪くないのですが、
写真で手前から二本目の補強のリブだけが錆で腐っています。
他のリブは特にひどい錆は見当たりません。
過去に何度かリブについては触れてきましたが、今回のはかなりヒドイ状態です。
リブの中からは錆の死骸?(抜け殻といったほうが正しいかも・・・)が大量に出てきました。
もちろんリブは突付けば穴が開くほどサクサクな状態です。
どうしてこのリブだけ?と思う方もいらっしゃるでしょう。原因は写真中央のクラックです。
スタンドのストッパーが当たるこの場所は潰れてしまいやすくクラックが入りやすい場所なのです。
そしてこのクラックから水が入り込み内側から錆を発生させているのです。
ここまで錆びたリブはもう部分的な補修では再生できません。剥がしてしまいます。
剥がしてみたところボディー側の鉄板は表面に錆が浮いている程度だったため、
錆を落とし錆止めの塗料を塗っておきます。
今回リブを長めに作らなければならなかったため、リブをプレスで作ることにしました。
プレスで作るにあたり写真のような型を製作しました。
プレスで出来上がったリブです。手叩きに比べ綺麗に仕上がります。
このリブの中に補強となる芯を入れ、スタンドのストッパーに押し潰されないように対策を施します。
補強を入れることにより上の写真のような状況になることを避けられるわけです。
これをしないと遅かれ早かれ十中八九潰れてしまいます。リブの補強は必須項目といったところです。
今回写真はありませんが、補強を入れたリブをボディーに溶接して、
水が入らない様に隙間にコーキングを流し込んで終わりです。
写真を見ただけでこれがなにか解る方はかなりのvespa通です!
これは、"Model-U"の特徴でもあるサイドパネルを表からボルト止めするために、
ボディーの裏側に付いている物です。四角い板がナットのようになっていて、
それを上のカバーを被せて留める、と言った感じです。
もちろんこんなものは部品として売っているわけでは無いので、オリジナルの形にもとずいて製作しました。
これもお客様のリクエストがあれば製作して販売いたします。詳しくはお問い合わせ下さい。
出来上がったものを位置合わせをしながらボディーの裏に溶接していきます。
ボディーに付け終るとこんな感じになります。

"Model-U"は、Vespaのネームがリベット留めのバッジではなく、ボディーに直接ペイントされています。
これもオリジナル通りに復元します。

この車両は過去にオールペンされているのでVespaのロゴは塗膜の下に眠っていました。
まず紙やすりやポリッシャーを使い丁寧に上の塗膜を研ぎ落としていきます。
オリジナルのロゴはとても薄く、少しでも削り過ぎるとすぐに消えて無くなってしまいます。
これは非常に根気のいる作業です。
発掘?されたロゴはこのように幅や高さ、サイズ、角度まで、十数枚もの写真を撮り、記録に残します。

塗装が終わったボディーにマスキングテープを貼り、オリジナル通りにロゴを切り抜きます。
ここも非常に緻密な作業を要求されるところです。

その後、塗装します。色はブラックではなく限りなく濃いグリーンです。
この色もオリジナルを再現したものです。

マスキングを剥がして完成です。
ペイントのロゴもなかなかイイですね。これはこれでカッコ良いです!






