
今回ご紹介する車輌はモデルUです。
この車輌は兼価版(最も安いモデル)として売られていたもので、
当時販売されていた53年125(フェンダーライト)が15万リラで販売されていたのに対し、
モデルUは13万リラで売られていました。ハンドルバーはクロームメッキせずに塗装したり、
レッグシールドのVESPAバッチも塗装したりと、徹底的にコストを下げています。
モデルUの背負った宿命というべきコスト削減、
涙ぐましい努力のあと等もからめてご紹介してゆければと思います。

テールは53年と共通のモノを使用。左サイドのパネルは写真では写っていませんが、
モデルUだけに使用されたパーツです。

右のサイドパネルもモデルU独自のパーツで、ボルトで止めてあります。
エンジンは51年のエンジンとほぼ共通です。

本来ハンドルロックが付いている箇所から配線がでています。これもモデルU独自のモノ。
(つまりは廉価版であるがゆえ、ハンドルロックすら付かないのです)

フロアーレールはアルミのレールにゴムの組み合わせというのが通常ですが、
この車種はアルミの一体型でコストを抑えています。

ガソリンタンクも違っており、このタンクキャップはAPEに使われていたものと一緒です。

フロントフェンダーはオールステイツのVESPAに使われていたものと一緒です。

フロントのハブ廻りは48~50年あたりのものと同様、ダンパーが付かないタイプです。

フロントフォークにはダンパーの取り付けステーが無造作に切ってありました。
フォーク自体は51年以降のパーツでしょう。

ハンドルロックが付いていないのに、フォーク側には鍵の引っかかりが付いていました。
淋しい感じがしますね。

Modei Uのボックスフラップはどの車種にも無い変った取り付け方をします。
この写真のフラップは過去に変に弄ってあるようなので、オリジナルの状態に戻す予定です。(板金編で)

この手の車輌はボルトナットが錆び付いて取れない事が多々あります。
写真に写っているハンマーやエアーソー等はそんな時に使うのです。
あと、ベルトサンダーやエアードリル等も活躍します。

バラバラになりました!コレからは板金班の仕事です。板金偏をお楽しみに!

ボディが板金塗装に入っている間にエンジンを終わらせておきましょう。

シリンダーを外してみたところ、意外にもピストンの状態は良さそうですが
コンロッドのビックエンドのガタがものすごくあり、コンロッドは入れ替えなければいけません。

クランクケースを割ってビックリ!ギアが錆々!
クラッチカバーのブリーザーボルトが付いていなかったので多分そこから水が浸入してしまったのでしょう。
ここまで錆びてしまうとこのギアは使用できません。

ウェットブラスト処理後。

今回はユニクロメッキでは無くカドミメッキを施します。
カドミメッキの料金はユニクロメッキの10倍近くにもなりますが、当時の雰囲気を出すにはかかせません。

エンジンを組み始めましょう、この車輌は53年ですが片落ちのエンジンが搭載されているのです。
(51,52年式のエンジンとほぼ一緒です)

再メッキしたスタッドを入れている所です。
よーく見るとスタッドの根元がブルーになっていますが、これは当店で使用しているネジロック剤の色です。

ギア-廻りを入れた様子です。
この車輌のギア-は使用不可能でしたので(Vol.2 参照)手持ちのギア-に入れ替えました。

ビッグエンド、スモールエンド共にダメになっていたのでコンロッドは新品に入替です。

この年代のキックシャフトはおおらかな作りになっております。
O-リングとフェルトパットでギアオイルをダブルブロック!と言いたい所ですが、
この方式では完全に漏れをスットップとは行かない様です。

51年以降の車輌は、H,Tコイルとプラグコードをの間にコンタクトプラグと言う部品が入るのですが
Utilitariaに関しては直接ハンダ付けです。これで部品一個削減!コストも削減だ!

他の車種ではコンタクトプラグが付く場所には、この様なゴムのキャップが付きます。

クランクケースを閉じる所は写真に収める事が出来ませんでした。
ナカナカ作業をしながらの撮影は難しいのです。以上言い訳を兼ねた愚痴でした。






