
一見すると只の160GSですが・・・

ハンドルを逆に切るとフロントハブがディスクブレーキに!
フロントフォークは当店お約束のPKフォーク。ディスク部分はPXFLのモノが装着されています。
ホーイルも変更し、ワイドリムになっています。
マスターシリンダーもFLの純正品を付けました。
マスターシリンダーの取り付けステーの加工は、レバーの握りやすさを考えこの位置に持って来ました。
スイッチサポートに合わせて、マスターシリンダーもバフ掛けしました。
エンジンも200FLに変更、ワイドタイヤKITにチャンバーを装着しています。
実はこの車両のオーナーさん、以前乗っていたFLが不慮の事故で廃車になってしまい、
そのFLの使用可能な部品を使って車両製作を行いました。

今回は完成車両を先にお披露目となりました。
今回は板金を中心に製作過程をご覧頂こうと考えています。お楽しみに!

それでは、板金をスタートしましょう。
写真はこの車両のフロアー裏です。
過去にサイドカーが付けられていた様で、補強のリブが潰されていました。
おそらくサイドカーのフレームが当たってしまうために叩いて潰したのでしょう。
写真はリブの潰れた部分を切除したところです。

切除したリブは再生不能な状態だったため、オリジナル通りの形をプレスで製作しました。
リブはあらかじめフロアーのアールに合わせて曲げておきます。
これは人力で曲げるにはかなりの腕力が必要です。
もちろんボクにはそのような豪腕が無いので、バーナーでガンガン炙りながら曲げていきます。

新たに作り直したリブをフロアーにスポット溶接していきます。
ちょっと見づらいですが、フロアーのアールにリブがピッタリと合っているのが解るでしょうか?

完成の図です・・・が、この写真では良くわかりませんね。
組む前に写真を撮るのをすっかり忘れていました。

次はPKのフロントフォークに160GSのフロントフェンダーを着ける為の加工です。
PKとGSのフェンダーでは、取り付け位置や角度などかなりの違いがあります。
それをクリアーするためフォーク側の台座を削ったり盛ったりしてベストな位置へと持って行きます。
ここまでしなくてもスペーサーを挟むなどすれば着いてしまいます。
ですがカネバンとしてはそれではチョット・・・。カネバンはこの様なところにまでこだわっていきます!

フォークに合わせてフェンダーに穴を開けなおします。
穴位置が若干右へ移動してしまうため、裏に入っている補強が寸足らずになってしまいます。
足らないモノは足しておきましょう。と、言う事で補強を延長します。
穴より上辺りが延長した部分です。

上側の加工が終わったら次は、フェンダー横の取り付けの調整です。
元のステーでは穴位置は近いものの、距離が全く足りません。

穴位置のずれ、距離などを計算に入れた上で、この様なステーを作ります。
これでフェンダーがピッタリ着いてくれれば成功ですが・・・

やりました!ピッタリです!
自分で自分を褒めてあげたいです
(by有森)
後は塗装をしてフロント廻りは完成です。

前頁にも書いてある様に、PXFLのハブ廻りを装着します。
PKフォークに取り付け際にははショックのステー、ハブ側のショック穴の加工等必要になります。

組みあがった様子です。FLのハブは星型なので、
160GS等の古い車両に取りつけるのはチョットなーと思い出した結果が下の図です。

ホイールキャップを取り付ける事で星型のハブを隠しました。
フェンダーの位置も板金で苦労した甲斐があって良い位置だと思いませんか?

160GSとPKでは、フロントフォークのストッパーの形状が異なりますので、写真の様に加工して対処します。

この車輌の様に、フォークとエンジンを換装した上で、さらにワイドなタイヤを履かせると、
全体的に車高が上がってしまいます。
使用するタイヤにもよりますが、今回のケースではノーマルに比べて約3㎝ほど車高が上がっていました。
そこでセンタースタンドの延長を行います。上がった車高より少し長めで、4cm延長しました。

次に、センタースタンドとチャンバーを仮組みして干渉しないかテストします。
その結果スタンドのリターンスプリングが思いっきり干渉してしまいました。

そこでスプリングを元の中心寄りの位置から、この位置まで移動します。これで問題は解決です。

ワイドタイヤキットを組み込む際、エンジン自体も多少右寄りにオフセットさせなくてはなりません。
それに合わせてリヤショックのアッパーマウントもオフセットします。
その為、ボディー右側のリヤショックの逃げの部分が足りなくなってしまいます。
逃げの部分を一旦切開した後2㎝ほどワイドにします。
アッパーマウントをオフセットしなければ、ショックはギリギリで収まってしまうのですが、
後ろから見て明らかに斜めになってしまっているショックは
機能的にも気分的にもあまり良いものではありませんね。

ノーマルのボディー形状の場合、ワイドタイヤはリヤショックを外してエンジンを降ろさなくては
タイヤを外すことは困難になってしまいます。
もし、「出先でパンクしたら」なんてことを考えると、大変な事になるでしょう。

そんな心配を無くすために、タイヤに合わせてボディーをカットします。

只切ってしまうだけでは見栄えが良くありませんし強度も落ちてしまいます。
縁は全てリブを叩き出します。

キャブレターからボディーへと繋がるベローの取り付け場所の形状は、PXとGSでは全く異なります。
GSではボディーにアルミのエルボーが付きそれにベローが入りますが、
PXではボディーに直接付ける形式になります。
スマートにスッキリとエンジン換装を行うために、この部分も付け替えましょう。

まずもとの方をカットします。そこにPXのモノを合わせて溶接していきます。

溶接した後ブラストを打ったところです。どうですか?自然に着いているでしょう。ちょっと自画自賛です。

完成の図です。ベローが違和感無く着いています。

作業前の写真と見比べていただくと解ると思いますが、アーチがかなり大きくなっています。
タイヤが丸見えですね。此処まで広げればタイヤは手前に楽に抜けてくれます。

この車輌はバッテリーレスにしたため、バッテリーホルダーは不要になり取り外しました。
そのスペースにボックスを付けたいというオーナーさんのご要望によりボックスを製作致しましたので、
今回はその過程をご紹介していきます。
先ず空きスペースをどの様に使うか考慮した上で、壁となる部分を作ります。

壁が出来たら形を合わせて縁を折り曲げたものを乗せ、縁の部分をスポット溶接していきます。
だんだん形が見えてきましたね。

次に蓋を作ります。蓋の形は開口部を広く確保するため、この様な形になりました。

蓋を閉めるとこの様な感じになります。
蓋は一枚の鉄板を曲げただけでは強度が出ずにフニャフニャな状態になってしまいますので、
縁にはリブを入れました。

蓋のヒンジの部分です。当初ヒンジは売っているモノを付けようと考えていましたが、
どれも雰囲気的に合わず、ベスパっぽく無くなってしまうので、ヒンジ部分も板金製作することにしました。

この様に曲げて穴にピンを通します。形としてはZippoのヒンジに近いですね。

これはカギを掛ける為に取り付けたキャッチです。
折り返してある部分に鍵のプレートが引っかかりロックします。
柔に見えますが強度は十分です。カギを掛けて引っ張ってもビクともしません。

とりあえず完成の図です。

色を塗り終えて、本当の完成です。
普段はパネルの中に隠れているのであまり陽の目を見ることは無いと思いますが、
あればきっと役に立つことでしょう。貴重品を入れるのに最適かも!?

小さく見えますが意外と収納力はあると思います。
500mlのペットボトル+ショート缶2本位は余裕で入ります。
車載工具などを入れるのには充分な容量です。
以上、今回は先に完成車輌を掲載したのでこれで終了です。
これからも拘りのある板金作業をご紹介していきたいと思います。






