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VESPA 150GS(VS-4)

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今回ご紹介する車輌は、WORK初登場の150GSです。

分解前の車輌は大人の事情でご紹介出来ないのですが、オ

ーナーはイタリアから輸入されたモノを数年前に個人買で購入されたそうです。

外観は缶スプレーでざっと塗装された状態で、お世辞にも綺麗とは言いがたい車輌ですが、

缶スプレー塗料の下にはオリジナルの塗装が残っていてボディーの状態かなり良い車輌でした。

 

 

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状態が良いとは言え、直さなければいけない部分は有ります。

フロアーのリブは、無理やりのRallyのスタンドが取り付けられていて、

スタンドブラケットの逃げを作る為に強引にリブを叩きつぶしていました。

 

 

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板金の前に剥離剤を使って塗装を剥がします。

当店はフレーム等の大きなモノもサンドブラスト出来るのですが、

塗膜が厚い状態でサンドブラストをするとボディーに負担が掛かるために、

剥離剤や、色剥ぎ専用のサンダー等を使って、出来るだけ塗装を剥がしてから

サンドブラスト加工をするようにしています。

 

 

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潰れていたリブを作り直し、センタースタンドの掛かる部分に補強を入れました。

 

 

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配線のジャンクションボックスカバーは、欠品していたため製作しました。

ちなみに上がオリジナル、下が製作したモノです。

 

 

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流石にこの辺りの年式ともなるとシートスプリングのヘタリもかなりのモノです。

このままの状態でシート張替えをすると、シートの芯(内側に張ってあるゴムの型)に負担が掛かり、

いずれは表皮にヒビや切れ等が出てしまいます。

 

 

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写真では解りずらいですが、上部のスプリングを張り直した所です。

この後サンドブラストで錆を取り、塗装、表皮の製作とでシートの完成。

シート一個にも結構時間が掛かるのです。

 

 

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エンジンの分解に入ります。オーナー曰くエンジンは動いていたそうですが、

クランクケースを割ってみると、浸入した水がオイルと混ざり乳白色になっていました。

 

 

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ギアーは多少錆が出ていましたが、ベアリングの当たり面等主要な部分に錆は出ていませんでした。

もうチョット作業開始が遅く全体に錆が出てしまうと交換部品もかなりの量になっていたでしょう。

 

 

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潰れてしまっていたクラッチのプランジャーです。これで本当に動いていたのでしょうか?

 

 

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フィン欠けしていたシリンダーです。

今回は、フィンの再生とピストンサイズをスタンダード(57mm)に戻すべく、スリーブを入れる事にします。

 

 

work-VS4_012.jpg製作したスリーブにポート穴を開けます。

スリーブは硬い素材なので削るのに一苦労。

シングルポートの古い年式の車輌であればまだ良いのですが、2ポートともなると‥・

大体この作業でリューターのビットが一本ダメになってしまいます。

 

 

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ポート穴を開けた後、スリーブをシリンダーに圧入します。

ポート穴がシリンダー側の穴とピッタ合うか緊張の一瞬です。

 

 

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欠けたフィンは焼き付いてダメになったスモールボディー用135ccのキットから拝借しました。

 

 

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クラッチダンパーのリペアをします。

まずプレートを留めているピンの頭をベルトサンダーを使って削り落としプレートを外します。

 

 

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すると中からスプリングが出てきます。

このスプリングがエンジンブレーキをかけた時の衝撃などを受け止めているのです。

写真上部の二つのスプリングが折れているのがお解かり頂けますか?

 

 

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プレートは両側から二枚で挟みこんでいます。

折角なのでギアーとギアーを分離し間に入り込んだ四十数年の垢を取り除いてあげます。

金属片等で結構汚れているんですよ。

 

 

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新品のスプリングを組み込みます。

 

 

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プレートで挟み込んでからピンでカシメます。(正確にはピンを叩いて潰しています)

 

 

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ガソリンコックは上記の部品で構成されています。

勿論ゴムパッキンやコルクのガスケットは新品を使用します。

それにしても今の部品と比べると贅沢な作りですね。

 

 

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タンクから下りてきたガソリンは、金属の網目状フィルターを通ってガラスのコップに溜まってから

パイプを通りホース、キャブへと流れます。その際にガソリンより比重の重い金属片、錆、砂、等が

コップの下に溜まる仕組みになっています。

 

 

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組み立て作業にとりかかります。色々やり方は有ると思いますが、

当店では最初にアウターワイヤー、配線を入れ、次にフロアーレー、センタースタンド、等

フロアー廻りを取り付けます。

150GSの場合(1958年までのピストンバルブの車輌全般がそうですが)

シート下のフラップはタンクを取り付ける前に作業を行った方が良いと思います。

タンクを付けた後だとフラップのピンを曲げるの大変なんですよね。

 

 

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リアサスは分解、洗浄後組み立てます。

この車輌に付いていたリアサスは状態が良く、オイルシール、フォークオイルの交換で済みましたが、

150GSはリアサスの全長が長いのとダンパーセンターロッドが細いので

ロッドが曲がっているモノが多く見られます。

 

 

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リアサスのアッパーベースには、写真の様にゴムのガスケットが入ります。

たまにこのゴムが入っていない車輌が入庫する場合が有りますので、

このあたりの車種に乗られている方はチェックしてみて下さい。

 

 

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裏から見るとこんな感じです。
 
 
 
 
 
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エンジンを積んだ所です。
 
同時期に販売していたVB1やVN等と比べると気合の入った作りだと感じる部分があり、
 
当時のピアジオのスポーツモデルに掛ける意気込みが伝わってきます。
 
 
 
 
 
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150GSは23mmと大口径(同じ150cc のVBIは19mm)のキャブレターがシリンダーの真上に来ます。
 
今までの長いマニホールドを使った方式と比べると吸気効率は上がっているのですが、
 
シリンダーからの熱がキャブにも伝わりやすく、
 
真夏で激しい渋滞等に合うとパーコレションを起こしやすいのが欠点です。

真夏でも走ってさえいれば問題は無いのですが。
 
 
 
 
 
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勿論足廻りも完全に分解してから組み直します。
 
ベアリング、シャフト類などは新品部品に交換します。
 
 
 
 
 
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フォークスプリングも新品に交換です。
 
150GSのスプリングはRallyの物とは全長が違います。
 
ちなみにこのスプリングは150GLと共通部品です。
 
 
 
 
 
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フォークにハブを取り付けた様子です。
 
フォークのピボットベアリング、シャフトはこの時必ず交換します。
 
 
 
 
 
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ブレーキシューも勿論交換します。
 
Rally、Sprint用のブレーキシューと共通の部品ですので、部品調達には困りません。
 
 
 
 
 
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この時点フォークダンパーを取り付けるべきなのですが、部品が手元に無かったのでひとまず完成です。
 
ダンパーはフォークがボディーに入っている状態でも用意に交換できます。
 
 
 
 
 
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タイヤはミシュランのACSを選択、S83も良いのですが雰囲気はACSにかないません。
 
しかし残念ながら現在は入手が困難になっています。
 
 
 
 
 
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GSはバッテリー点火ですのでバッテリー廻りはかなり重要です。
 
オリジナルではセレンだったレクチファイアーをダイオードに変更、フライホイールは着磁し直します。
 
長期間乗らない時マイナスのアースを外す時や、もしもの時に充電しやすい様
 
コネクターを手の届きやすい所に配置しました。
 
 
 
 
 
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エアークリーナボックスの蓋、シリンダーシュラウド、ジャンクションカバーはチジミ塗装を施します。
 
 
 
 
 
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シート下のボックス中はこんな感じです。
 
ガソリンのホースは外を通ってキャブレターにまで行くので(タイヤとエンジンの脇を通ります)
 
金属製の蛇腹のプロテクターで覆い保護します。
 
 
 
 
 
work-VS4_037.jpgVS5からのオオギ型のメーターも良いのですが、この四角メーターも捨てがたい!好みの分かれる所です。

この写真では見ずらいのですが、イグニッションキーとレッドジェムの間には0(ゼロ)の数字が
 
打刻してあるのが正解です。変なマークだと思ってパテ等で埋めない様にして下さい。
 
 
 
 
 
work-VS4_038.jpgこのホイールにあこがれてVS1~4を購入される方も多いようです。
 
ちなみにこのホイールは写真の様に中心がフラットなタイプと星の様な形をしているタイプと二種類有ります。
 
 
 
 
 
work-VS4_039.jpgVS4からスットップランプが標準装備になります。
 
コレはイタリア国内の法律が改正され、ストップランプが付いてない車両は
 
走行出来なくなってしまった為です。
 
この為イタリアから輸入した1957年以前の車輌にはストップランプ付きの
 
ノンオリジナルのテールが無理やり取り付けられている事が多いのです。
 
 
 
 
 
work-VS4_040.jpg大きく丸みを帯びたリアビューは迫力有ります。このお尻に惚れ込んでいる人も多いはずです。

ピアジオ初の量産スポーツモデル150GSは手の掛かる部分も多いですが、
 
それをも凌駕してしまう程多くの魅力を秘めた車輌だと今回改めて感じました。