
今回ご紹介する車輌は、WORK初登場の150GSです。
分解前の車輌は大人の事情でご紹介出来ないのですが、オ
ーナーはイタリアから輸入されたモノを数年前に個人買で購入されたそうです。
外観は缶スプレーでざっと塗装された状態で、お世辞にも綺麗とは言いがたい車輌ですが、
缶スプレー塗料の下にはオリジナルの塗装が残っていてボディーの状態かなり良い車輌でした。

状態が良いとは言え、直さなければいけない部分は有ります。
フロアーのリブは、無理やりのRallyのスタンドが取り付けられていて、
スタンドブラケットの逃げを作る為に強引にリブを叩きつぶしていました。

板金の前に剥離剤を使って塗装を剥がします。
当店はフレーム等の大きなモノもサンドブラスト出来るのですが、
塗膜が厚い状態でサンドブラストをするとボディーに負担が掛かるために、
剥離剤や、色剥ぎ専用のサンダー等を使って、出来るだけ塗装を剥がしてから
サンドブラスト加工をするようにしています。

潰れていたリブを作り直し、センタースタンドの掛かる部分に補強を入れました。

配線のジャンクションボックスカバーは、欠品していたため製作しました。
ちなみに上がオリジナル、下が製作したモノです。

流石にこの辺りの年式ともなるとシートスプリングのヘタリもかなりのモノです。
このままの状態でシート張替えをすると、シートの芯(内側に張ってあるゴムの型)に負担が掛かり、
いずれは表皮にヒビや切れ等が出てしまいます。

写真では解りずらいですが、上部のスプリングを張り直した所です。
この後サンドブラストで錆を取り、塗装、表皮の製作とでシートの完成。
シート一個にも結構時間が掛かるのです。

エンジンの分解に入ります。オーナー曰くエンジンは動いていたそうですが、
クランクケースを割ってみると、浸入した水がオイルと混ざり乳白色になっていました。

ギアーは多少錆が出ていましたが、ベアリングの当たり面等主要な部分に錆は出ていませんでした。
もうチョット作業開始が遅く全体に錆が出てしまうと交換部品もかなりの量になっていたでしょう。

潰れてしまっていたクラッチのプランジャーです。これで本当に動いていたのでしょうか?

フィン欠けしていたシリンダーです。
今回は、フィンの再生とピストンサイズをスタンダード(57mm)に戻すべく、スリーブを入れる事にします。
製作したスリーブにポート穴を開けます。
スリーブは硬い素材なので削るのに一苦労。
シングルポートの古い年式の車輌であればまだ良いのですが、2ポートともなると‥・
大体この作業でリューターのビットが一本ダメになってしまいます。

ポート穴を開けた後、スリーブをシリンダーに圧入します。
ポート穴がシリンダー側の穴とピッタ合うか緊張の一瞬です。

欠けたフィンは焼き付いてダメになったスモールボディー用135ccのキットから拝借しました。

クラッチダンパーのリペアをします。
まずプレートを留めているピンの頭をベルトサンダーを使って削り落としプレートを外します。

すると中からスプリングが出てきます。
このスプリングがエンジンブレーキをかけた時の衝撃などを受け止めているのです。
写真上部の二つのスプリングが折れているのがお解かり頂けますか?

プレートは両側から二枚で挟みこんでいます。
折角なのでギアーとギアーを分離し間に入り込んだ四十数年の垢を取り除いてあげます。
金属片等で結構汚れているんですよ。

新品のスプリングを組み込みます。

プレートで挟み込んでからピンでカシメます。(正確にはピンを叩いて潰しています)

ガソリンコックは上記の部品で構成されています。
勿論ゴムパッキンやコルクのガスケットは新品を使用します。
それにしても今の部品と比べると贅沢な作りですね。

タンクから下りてきたガソリンは、金属の網目状フィルターを通ってガラスのコップに溜まってから
パイプを通りホース、キャブへと流れます。その際にガソリンより比重の重い金属片、錆、砂、等が
コップの下に溜まる仕組みになっています。

組み立て作業にとりかかります。色々やり方は有ると思いますが、
当店では最初にアウターワイヤー、配線を入れ、次にフロアーレー、センタースタンド、等
フロアー廻りを取り付けます。
150GSの場合(1958年までのピストンバルブの車輌全般がそうですが)
シート下のフラップはタンクを取り付ける前に作業を行った方が良いと思います。
タンクを付けた後だとフラップのピンを曲げるの大変なんですよね。

リアサスは分解、洗浄後組み立てます。
この車輌に付いていたリアサスは状態が良く、オイルシール、フォークオイルの交換で済みましたが、
150GSはリアサスの全長が長いのとダンパーセンターロッドが細いので
ロッドが曲がっているモノが多く見られます。

リアサスのアッパーベースには、写真の様にゴムのガスケットが入ります。
たまにこのゴムが入っていない車輌が入庫する場合が有りますので、
このあたりの車種に乗られている方はチェックしてみて下さい。












VS5からのオオギ型のメーターも良いのですが、この四角メーターも捨てがたい!好みの分かれる所です。この写真では見ずらいのですが、イグニッションキーとレッドジェムの間には0(ゼロ)の数字が
このホイールにあこがれてVS1~4を購入される方も多いようです。
VS4からスットップランプが標準装備になります。
大きく丸みを帯びたリアビューは迫力有ります。このお尻に惚れ込んでいる人も多いはずです。ピアジオ初の量産スポーツモデル150GSは手の掛かる部分も多いですが、






